3日火曜日、パンデミックの中の異例の大統領選挙が行われました。
3日、投票所では、飛沫防止パネル、投票ブースの消毒、マスク着用、ソーシャルディスタンシングを保つなど、厳重な感染防止対策の元、大統領選挙が行われました。また、都市部では、暴動を警戒し、店舗のウィンドウに板張りがされるど、異例の選挙となりました。
投票が締め切られ、開票作業序盤、激戦州の大票田であるフロリダ州で、トランプ大統領の「当選確実」が報じられました。また、ミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州といった他の激戦州でも大統領が好調な滑り出しを見せていました。トランプ大統領は、東部時間4日午前2時過ぎに事実上の勝利宣言ともとれる演説を行い、「この選挙に勝った」と語り、再選への意欲を見せました。一方、共和党の地盤、アリゾナ州でバイデン氏の優勢が報じられていましたが、バイデン氏は開票結果を待つ慎重な姿勢を見せ、「全ての票が集計されるまで終わりではない」と語りました。
今回は記録的な数の郵便投票で、開票作業も時間を有すると予想されていた通り、翌4日水曜日の朝になっても選挙結果は確定せず、各地の選挙管理委員は速さではなく、正確さを最優先に票の集計を行なっているとして理解を求めました。ウィスコンシンン州選挙管理委員は「集計での全ての工程を公開しています。州で定められた手順で確実に選挙を進めています。」と語り、ミシガン州務長官は「全ての票が確実に集計されるよう、夜通し作業を続けています。」と語りました。
4日、開票が進むにつれ、情勢が変化し、ウィスコンシン州とミシガン州で、僅差でバイデン氏の「当確」が伝えられました。そうした中、注目が集まったのが激戦州の1つ、ペンシルベニア州です。ペンシルベニア州では投票日3日の朝まで届いた郵便投票の開封もできないのが決まりで、4日も引き続き集計作業が続きました。フィラデルフィア市の選挙管理当局は「半分が郵便による投票、もう半分が投票所での投票で、正しく集計するにはどうしても時間がかかります。」と語りました。前日までトランプ大統領が優勢だったペンシルベニア州ですが、開票が進むにつれ、バイデン氏が追い上げを見せました。
4日、5日と開票開始から2日たってもペンシルベニア州を含む5つの州で接戦が続きました。5日、両候補は会見を行い、対照的な見解を語りました。トランプ大統領は「不正な票を集計しなければ楽勝だった。不正な票で選挙を奪おうとしている。」 、バイデン氏は「全ての票が数えられるべき。民主主義はときに厄介で忍耐が必要だ。」と述べました。ジョージア州では、6日午前0時の段階で、開票率99%で拮抗した状態です。複数の州で週末まで当確がでない可能性があると報じられています。
今回の大統領選では、事前の世論調査をもとに報じられていた全国的な「ブルーウェイブ」、民主党圧勝は全く見られず、各地で大接戦となっています。また、上院選でも民主党の過半数奪還が見込まれていましたが、その可能性は低くなっています。さらに下院でも共和党が議席数を増やしています。このため2016年の選挙でも問題視された世論調査そのものの信憑性が再び問われています。同時に、国が真っ二つに分断している現状も明らかになり、今後の政権は難しい舵取りを迫られることになりそうです。